三鷹おんがくのじかん
2009年10月。OPEN。東京・三鷹の音楽レーベル:TOWNTONEがキリモリする、自家焙煎の珈琲やお酒が楽しめる:イベントスペースをイメージしたまでは良かったのですが、。
折坂悠太
「のこされた者のワルツ」
打ち上げの席で、NHKホールは憧れていた場所でもあると云う話を聞いたので、随分久しぶりとなりますが、折坂ライヴを観に行く事にしました。「心理」ツアー福岡場所以来となるので、楽しみです。きっと音響も素晴らしく良いに違いない✨がんばっているオリィに、バナナあげる🍌
(折坂悠太)|公演詳細
ご出演(ソロ・バンド)
当店では、基本的にブッキングなど行っておりませんので、ご出演されたい方(ソロ・バンド問わず)は、コチラのスケジュールよりお選び下さい。
各種イベント開催
ライヴ・演劇・お笑い・上映会・トークショー等、各種イベントも受付中です🥰(月~金)10,000円・(土日祝)15,000円にてレンタル可能です。ドラム等もご用意しておりますので、バンドサウンドもOKです🍙
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レコーディング
おんがくのじかんの歴史
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失敗しない生き方『常夜灯』に寄せて

失敗しない生き方 『常夜灯』に寄せて。その2
武蔵野の荒ぶるハムスターロック:失敗しない生き方と出逢ったのは、いつ頃だったろう。初めて店を訪れたのは、ギター・ボーカルを担当するアマノだった。その当時、彼はトあるミュージシャンのスタッフをしているとかで、ポスターを貼ってくれと持って来たのを覚えている。どこか冷めた目をしているのが印象的だった。音楽とは縁遠そうな印象もあった。既に失敗しない生き方が活動していたのかは分からない。それから。「面白いやつが集まってくるかも知れない」と、店が面している通りでフリーマーケットを開催する事を思い立ち、出店を募ったところ、バンマスのチバから「参加したい」と云う旨の連絡があった。失敗しない生き方の存在を初めて知る事となった。フリマ当日。ワゴンで乗り付けて来た集団がいた。辺り構わず、ドッサリとゴミのようなものを並べ出し、ギターまで持ち出していた。「うるさくしないでね」と念を押し、イベントがあったので、店に戻った。「通りでうるさくしているよ」と連絡があり見に行くと、ギターを弾き唄っていた。僕はその光景を見て、グチャグチャで面白い奴らだなと思った。それが、失敗しない生き方の断片だった。
それから、どのくらい経ったのか。ある日、イベント出演者が仕事の都合で、どうしても出る事ができなくなったと連絡があり、代わりに誰か出ないかと呼びかけたところ、バンマスのチバから「参加したい」と云う旨の連絡があった。「またキミか」と思った。あまり良い印象を持ってはいなかったが、そう云えば、フリーマーケットの際に、「聴いて下さい」と何やら怪し気なCDを手渡されたのを思い出していた。どうやら、デモCDらしかったのだが、僕は聴く機会を失ったままだった。そして、イベント当日。もう記憶があやふやだが、小さなドラムセットを持ち込み、男4人で(チバ・アマノ・テラオ・シンゴだったか。ひょっとしたら女性がいたかも知れない)、何やらささくれ立った音楽と言葉をまき散らしていた記憶がある。どんな曲だったかもう思い出せないが、やはり、彼らからは、グチャグチャとした印象を受け、何か面白いものを感じていた。ちょうどその頃、僕はトあるフェスのブッキングを担当していて、何の躊躇いもなく、彼らに声をかけた。「フェス」と云う三文字に弱いのはバンドメンの宿命なのか、「ぜひ」と云う話になり、嬉しそうにしている姿が微笑ましかった。その秋。文字通り、バンドワゴンで彼らは山形へやって来た。チバ・アマノ・テラオ・シンゴ・オレンジの5人に、おまけの記録係のように、ヒルタがいた。その頃はまだ唄ってもいなかったと記憶している。
年が明け、2013年1月。この頃になると、僕の記憶も鮮明になってくる。失敗しない生き方が、自主企画をやる事になった。この日に向け、漫画付CD『遊星都市』を用意すると意気込んでいたので、少なからず感心していた。スタジオ代わりに、店内にドラムを持ち込んで、とてもラフではあったが、前年末から録音作業を始めていた。そしてイベント当日。リハーサルの前に、完成したCDを聴いてみようと云う事になり、何となく予感してはいたが、スピーカーから聴こえてくるものは、それはそれは、ヒドいものだった。録音環境なのか、ミックスが下手なのか、おぞましいくらいだった。「え?コレを売るつもり?」「は、はい。」そんな会話の後に、重く永い沈黙が続いた。「じゃ、今日はひとまずコレを渡して、後日、ミックスなどし直したものと交換します」と切り出したのは、チバだったか。イベントは盛況だったが、その分、手に渡ったCDも多かったわけで、僕は何となく気持ちが重かった。ただ救われたのが、紅一点:ヒルタのパフォーマンスには、ズバ抜けた何かを感じ、彼女が面白くしてくれる事は間違いないと、妙な期待を抱いた。
それから数日して。ミックスをやり直す事になり、僕も野次担当で同席する事になった。もともとがヒドいものだったので、進める内に、自然と良いものになっていくようで(酷く汚れた部屋を片付けるような)なかなか面白い作業だった。そんな中で、この曲は音楽愛好家のアンテナに引っ掛かるかも知れないと思ったのが「月と南極」だった。偶然か、必然か、この曲が好評を博し、デモCD『遊星都市』は、独立系のCDショップを中心に並び始める事となった。
その後の経緯はご存知の方も多い事だろう。(予定より3ヶ月遅れではあったが)驚くほどのスピードで、本作『常夜灯』のリリースに至る事となる。恵まれたレコーディング環境とエンジニアの手腕により、作品としてはもとより、商品として成り立つ内容となった。これまでのだらしない彼らを知っているからか、だいぶ背伸びした印象を受けた。けれど、レコーディングするとはそう云う事でもあるなと思う。演奏の技量や、曲に対する方向性などが研ぎ澄まされ、ひとつ上のステージに立つ感じに近いのか。人間としても成長させてくれるものなのかも知れない。
本作を手に取り、楽しんだ皆様も、残念ながら楽しめなかった皆様も、是非一度、彼ら失敗しない生き方のライヴをご覧頂きたい。そのステージには、背伸びしたくても背伸びできない、スリリングなほどに等身大の彼らがいるはずだから。そして。そんな彼らが僕には最も魅力的に感じるのです。
フッと。以前、「お金が無いので、店の入口で演奏を聴いていた事がある」と、チバが語っていたのを、今でも時々思い出してニヤリとしてしまう。
失敗ちゃん!リリース本当におめでとう!
--- おんがくのじかん店主:菊池
